大鳥の羽易の山。
飛鳥の橘寺に入る手前、”大鳥の羽易(はがひ)の山”と題する石碑があります。
大鳥の羽易の山とは、三輪山を中心に巻向山と龍王山が連なる様子を表現した言葉です。
ちょうどこんな感じです。
三輪山を真ん中に、大きな羽を広げたように見えます。
田園風景の向こうに見える橘寺。
聖徳太子生誕の地として知られ、謎の石造物である二面石が人気を呼んでいます。
聖徳太子も、橘寺近くから見える「大鳥の羽易の山」を眺めていたのでしょうか。
羽易(はがひ)とは、鳥の両翼の重なり合う部分のことを意味します。神奈備三輪山が、ちょうどその羽易の部分に相当するわけですね。
真ん中の円錐形をした山が三輪山です。
「大鳥の羽易の山」という言葉は、柿本人麻呂の”泣血哀慟歌”の長歌末尾に登場します。妻を失って悲しみにくれる柿本人麻呂・・・その歌の中に「大鳥の羽易の山」は出てきます。
それにしても美しい景色ですよね。
山の連なる姿を鳥に見立てるなんて、なかなか粋な試みではないでしょうか。
鳥って不思議ですよね。
古来より神聖視されてきた生き物です。
神社の鳥居にも意味がありました。大空を翔ける鳥は、人々に未知の世界の広がりを感じさせたのではないでしょうか。古代の人がそう感じても不思議ではありません。
人間にはない能力を持っている鳥。
イメージを膨らませる歌の世界には、実によく似合います。
三輪から天理へ続く山の辺の道に、柿本人麻呂の万葉歌碑が幾つか残されています。
三輪山、巻向山、龍王山には、元々愛着を持っていたんでしょうね。飛鳥の地から眺める大鳥の羽易の山は、新鮮な息吹を吹き込んでくれたことでしょう。
<橘寺の関連情報>
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TEL:0744-42-6003 (22時まで宿泊予約直通)
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