御田植祭の進行は、田長(たおさ)の太鼓の合図によります。
6月25日の午前10時より執り行われる大神神社の御田植祭。狭井川に近い神饌田には太鼓の音がリズムよく鳴り響きます。
水面に一株ずつ早苗を植えていく早乙女と田作男。田圃の縁で太鼓を持っているのが田の主とされる田長です。
田長とはあまり聞き慣れない言葉ですよね。
そこで、国語辞典を紐解いてみました。田長の意味を解説致しますと、以下のようになります。
- 田の主、農夫の長。
- ホトトギスの別名。田長鳥(たおさどり)、死出田長(しでのたおさ)。
御田植祭の様子を見ていると、農夫の長であることは理解できるのですが、ホトトギスの別名であることはなかなか想像がつきませんよね(笑)
御田植祭を前に、早乙女達がお祓いを受けておられました。
ホトトギスといえば、自分の卵をウグイスなどの巣に産み落とすことで知られる鳥です。ずる賢いと言うか、何と言うか、他人の卵だとは気付かずに抱卵して育てている鳥の方がかわいそうになってくるのですが、そのホトトギスが田長と呼ばれていたとは知りませんでした。
自らは苗を植えず、太鼓を打ち鳴らすことによって、リズムよく田植えが進んでいきます。
早苗を植えているのは早乙女や田作男です。
表現方法が正しいかどうかは別にして、人任せにしている点ではホトトギスにも通じるものがありま(笑)
田植えを前に鍬入れが行われました。
ホトトギスのことを「あやなしどり」と言うこともあります。あやなしとは、古語で「道理に合わない、理由が分からない」といった意味があります。ホトトギスの不思議な習性は、まさしく「あやなし」という言葉がそのまま当てはまります。
天秤棒を担いだ農夫の籠には早苗が入っています。
冥途にある険しい死出の山から飛来するとも言われるホトトギス。死出田長(しでのたおさ)とも呼ばれる所以ですが、どことなくミステリアスで不吉な感じが漂います。
秋の万葉文化館にホトトギスの花が咲いていたのを思い出します。エキゾチックなその雰囲気は、この世のものとは思えない美しさを解き放っていました。
田長の太鼓の合図が、ホトトギス(田長鳥)の一声を想像させます。
整然と一直線に並んだ早乙女と田作男が、田長の合図で一斉に早苗を植えていきます。
神饌田に植えられた早苗は、秋の10月20日の抜穂(ぬきほ)の時まで五風十雨を受けながら、豊年講の方々の手で大切に育てられます。
御田植祭で育てられたお米は神饌に、稲藁は注連縄に利用されるそうです。
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