奈良歴史ウォーク大正楼

神社境内にある波々架の木。

占の木と云われており、木の種類は朱桜（にわさくら）です。

古事記の天の岩戸神話の中に、天香久山の雄鹿の肩甲骨を抜き取って、朱桜の木の皮で焼き、そのひび割れ具合で吉凶を占ったというお話が残されています。

古代の占い方法には面白いものがあったんですね。

甘樫坐神社に伝わる盟神探湯も特筆すべき占い方法ですが、鹿の骨で占うというのも古代人ならではという気がします。

天香山（あまのかぐやま）神社の鳥居。

式内大社である天香山神社の正式名称は、天香山坐櫛真智命神社（あまのかぐやまにいます　くしまちのみこと　じんじゃ）といいます。

占いを司る神が鎮座する神社。

天香山神社を案内する説明書。

大和三山の中でも、頭に「天」の字を頂くのは香久山のみです。

天香山、天香久山、天香具山などの表記がありますが、いずれも「あまのかぐやま」と読みます。

遠い古代の時代からスピリチュアルな山として信奉されていた神奈備です。

天香山神社の近くに「白埴聖地」と書かれた石碑があります。天香山神社の境内にも、「赤埴聖地」と記された碑が残されています。

香具山は大和の中でも神聖な山と考えられており、香具山の土で作った土器で神を祀り呪詛すれば、大和を意のままにできるという信仰がありました。

神武東征の大和国入りの場面にも、天香久山が聖地であることをうかがわせる記述があります。

鳥居の額束（がくづか）に天香山神社の文字が見えます。

天香久山は、舒明天皇が国見を行った山でもあります。当時から特別な位置付けをされていた山であることがうかがえますよね。

香久山の麓には、柿本人麻呂の万葉石碑がありました。

天香久山周辺の神社といえば、南側の麓にある天の岩戸神社を思い浮かべますが、北側に鎮座する天香山神社も忘れてはなりませんね。

◇橿原神宮参拝　拝殿から大和三山の畝傍山が！