奈良歴史ウォーク大正楼

長弓寺本堂。

鎌倉時代の建立です。

美しい桧皮葺の屋根が、天空へ舞い上がらんとする翼を連想させます。やはりここの本堂は天下一品です。長弓寺から少し離れた場所には、奈良と大阪を結ぶ太い道路が通っているのですが、そんなことを感じさせない閑静な佇まいです。

長弓寺円生院から本堂へと続く橋。

擬宝珠から長弓寺本堂を望みます。

長弓寺は聖武天皇の勅願により、僧・行基が開いたお寺として伝えられます。宗派は真言律宗に属します。

ため息の出るほど美しいラインの本堂。

正面５間、側面６間の入母屋造り。

棟木にある墨書銘により、弘安２年（１２７９）の建立であることが分かっています。

長弓寺本堂と紫陽花。

梅雨の時期になると、境内には紫陽花の花が見られます。長弓寺や矢田寺など、奈良県北西部には紫陽花の名所が多く見られますね。

長弓寺の駐車場から続く道沿いにも、綺麗な紫陽花の花が咲いていました。この道はどうやら、富雄から学園前方面へ抜けていく道のようです。抜け道に紫陽花というのも、どこか穴場的な感じがしていいものです。

翼を思わせる屋根のみならず、和様を主体に大仏様、唐様が混用された細部も美しいハーモニーを奏でます。

本堂内陣には、ご本尊・十一面観音立像が安置されています。藤原期に作られた仏像で、深い慈悲を感じさせる一木造りの観音様だと言われています。

長弓寺の駐車場は無料。

拝観料は志納となっています。この「志納」という言葉に少し弱いのですが（笑）、仏様の前に感謝の気持ちを表しましょう。