国宝の十一面観音で知られる聖林寺。
冬になれば、南天や千両が境内に彩りを添えます。
聖林寺の住所は奈良県桜井市大字下692。
安倍文殊院から談山神社へ向かう道中にある名刹です。
聖林寺からの眺望。
左手に箸墓古墳、右手に三輪山が見えます。
聖林寺は駐車場から続く坂道を登った高台に位置します。眼下には大和国中(やまとくんなか)を代表する三輪山と箸墓古墳の光景が広がります。本堂の縁側に用意された丸い座布団に腰掛け、しばし時の経つのを忘れます。
高台から望む景色は格別です。
背後には子安延命地蔵菩薩像や十一面観音立像が控えています。ここは実に贅沢な場所です。
木の実降りひよ鳴き天平観世音
聖林寺を詠んだ、水原秋桜子の歌です。
天平彫刻の粋を見せる十一面観音立像は、数ある観音像の中でも代表的な立像であり、第一回の国宝指定を受けています。水原秋桜子の目にも、さぞ眩く映ったのではないでしょうか。
俳人の水原秋櫻子は医学博士でもありました。秀逸な俳句を残した文系の人でありながら、理系の頭脳も併せ持っておられたようです。水原秋櫻子と言えば、個人的には「ふるさとの沼のにほひや蛇苺」の名句が好きです。
聖林寺からの眺望~箸墓古墳。
邪馬台国の女王、卑弥呼の墓ではないかと云われている箸墓古墳を眼下に収めます。横から眺める前方後円墳のフォルムが実に印象的です。
箸墓古墳の手前に ”こんもりとした緑” が見えますが、あれは一体何なのでしょうか。
奈良県内でこんもりとした緑を見れば、大抵は神社か古墳がその正体なのですが、あの緑もご多分にもれず、奈良県に残された歴史遺産なのでしょうか。そんなことを取り留めもなく考えます。
聖林寺の歴史を紐解くと、712年(和銅5)に藤原鎌足の長男定慧(じょうえ)によって創建されていることが分かります。藤原家の氏寺、妙楽寺(現在の談山神社)の別院であり、談山神社との深い関係が浮かび上がります。
聖林寺からさらに山道を登って行くと、「関西の日光」と呼ばれる紅葉の名所・談山神社へとアクセスします。大化の改新で、藤原鎌足と中大兄皇子が蘇我入鹿暗殺を企てた場所としても知られます。
談山神社と聖林寺は、是非セットで訪れておきたい名所です。聖林寺界隈には、その他にも崇俊天皇陵などの歴史ロマンあふれる名所が連なります。
〒633-0001 奈良県桜井市三輪459
大神神社御用達 奈良の旅館 料理旅館大正楼
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