奈良県庁前を午後12時に出発しました。
この時代行列はお渡り式と呼ばれています。
様々に意匠をこらした、絢爛豪華な時代絵巻が繰り広げられます。
田楽座の花笠。
春日大社の鳥居ですね、奈良の一刀彫の起源といわれる人形も飾られています。
お渡り式の出発前、スタンバイされているところを写真撮影させて頂きました。
お渡り式の中でも、一際華やかな出で立ちです。
田楽の起源説には実に様々なものがあります。
- 神様に五穀豊穣を祈る楽
- 農民を慰労するために演じる所作
- 田舞から出た芸能
- 散楽から転じた芸能
色々な由来が伝えられる田楽ですが、ここに言う「散楽」とは奈良時代に中国から伝わった曲芸の類を意味しています。
春日若宮おん祭は、国指定の重要無形民俗文化財です。
これだけの規模で行われるイベントですから、誰もが納得する無形文化財ですよね。
松の下式において田楽芸能が披露されます。
春日田楽はおん祭が行われた当初から奉納されていると云います。かつて世阿弥が12歳の時、おん祭前日に行われる装束賜りの能に、田楽の喜阿弥が「慰」を演じるのをわざわざ見に行って感服した旨を「申楽談義」に述べています。
お渡り式では、大名行列も見ることができます。
写真は春日大社一ノ鳥居をくぐったところ。
奈良の街を練り歩いた行列は、春日大社一ノ鳥居から御旅所(おたびしょ)へと入って行きます。
午後1時頃に一ノ鳥居に辿り着き、そのまま影向の松の下に於いて田楽や猿楽が奉納されます。
お渡り式では、小さな子供の姿も目立ちました。
稚児流鏑馬などもあり、稚児が随所に登場するお祭りです。
頭屋児(とうやのちご)。
この一等席に小さな子供がお座りになられます。
春日大明神が、翁の姿で万歳楽を舞われたと伝えられる「影向の松」の下・・・そこに、頭屋児の席は設けられます。
人を乗せないことを習わしとする馬。
お渡り式の馬は全て背中に人を乗せていましたが、この馬の背中にだけは誰も乗っておられませんでした。
春日若宮おん祭の歴史は古く、平安末期の1136年に遡ります。国家安寧を祈願して始められたお祭りでした。
時代行列は奈良県庁前を出発し、近鉄奈良駅前~油阪~JR奈良駅前~三条通り~春日大社一ノ鳥居~御旅所へと練り歩きます。
出発前の時代行列。
興福寺五重塔と東金堂が背後に見えます。
心なしか皆さん、そわそわされているご様子。
これから始まるお渡り式。
準備万端整ったでしょうか。
華やかな飾りに目を奪われます。
お祭りシーンではお馴染みの警察官。
三条通りの交通整理を開始されるようです。
ベールに包まれた女性。
数ある奈良の伝統行事の中でも、是非おすすめのイベントです。
華やかなお渡り式が人気の春日若宮おん祭。
御旅所祭の神遊(かみあそび)では、華やかな田楽の他にも様々な芸能が奉納されます。神楽、東遊(あずまあそび)、細男(せいのお)、神楽式、和舞(やまとまい)、舞楽等々、長時間にわたって延々と奉納される芸能の数々はまさに必見です。
12月の奈良観光は、春日若宮おん祭を中心に旅行プランを組み立てたいものですね。
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