山の辺の道には数多くの万葉歌碑が点在しています。
万葉集を紐解いてみると、万葉人の豊かな感受性に触れることができます。
枕詞で有名なフレーズに”ぬばたまの夜”、”ぬばたまの夢”などがありますよね。ぬばたまって何を意味するのでしょうか?
ぬばたまとは、ヒオウギの種子のことなんです。
ヒオウギとは漢字で書くと檜扇(ひおうぎ)で、その葉っぱの形が檜扇を開いた形に似ているのでヒオウギと命名されました。アヤメ科の多年草ですね。
こちらがヒオウギ。
カラスオウギ、ヒオウギアヤメとも呼ばれます。
山野に自生し、高さは1mほど。葉は広い剣状で密に密生し、ちょうど檜扇を開いたような形をしています。
黒々と丸い形をしたぬばたまです。
ぬばたまの写真を見ていると、枕詞の意味がよく理解できます。枕詞の”ぬばたまの~”に続く言葉の代表格は「夜」ですが、その他にも、夢、黒、夕、月、妹(いも)などがあります。
きらきらと光るミステリアスな黒。
神秘的な黒光りの中に吸い込まれていきそうな錯覚を覚えます。昔の人は今とは比べものにならないぐらいの大自然の中で暮らしていたはずです。ネオンも大気汚染も何もない・・・
そんな時代の夜ですから、ぬばたまのような黒色が連想されたのではないでしょうか。
こういう色を漆黒と表現するのかもしれません。
山の辺の道に散在する万葉歌碑。
大自然の中で生きた万葉人の息遣いが聞こえてきそうです。
”ぬばたまの夜さり来れば巻向の 川音高しもあらしかも疾き”
上記の歌は柿本人麿の作です。
相撲神社と桧原神社の間~山の辺の道の途上にぬばたまの万葉歌碑があります。どうぞご参照下さい。
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