猿沢池から興福寺五重塔へ至る五十二段の階段。
五十二段には深い意味が隠されています。
五十二段の右上に興福寺五重塔が見えます。
仏門に入る修行の段階・・・これが五十二段の意味するところです。
五十二段は奈良の夏のイベントとして知られる「なら燈花会」のメイン会場にもなっています。目の前に立ちはだかる五十二段の険しい階段。燈花会期間中には、一段一段に竹灯りが点され、幻想的な光景を作り出します。
興福寺東金堂から五重塔を仰ぎ見ます。
五十二段を登り切ると、右手手前に五重塔、その奥に東金堂が控えています。
上から見下ろした五十二段。
五十二という数字で思い出すのが、お釈迦さんが入滅された時に、互いに集まって悲しみを共にしたという鳥獣虫魚の52種類の衆生たち。五十二類と呼ばれます。
五十二段を登って興福寺五重塔に辿り着くと、奈良公園の鹿が塔の前で休んでいました。
仏教用語には五十二位というのがあって、大乗仏教として菩薩の修行の段階を五十二に分けたものをいいます。
五十二位の下位から、十信・十住(解)・十行・十回向・十地・等覚・妙覚と位が付いています。
最初の十信を外凡、十住・十行・十回向を内凡(三賢)といいます。
そしていよいよ、十地の初地(四十一位)から聖者の位に入ります。
初地は「歓喜地」で、次に離垢地・発光地・炎慧地・難勝地・現前地・遠行地・不動地・善慧地・法雲地・等正覚と続き、五十二位は「妙覚」で仏そのものになります。つまり、五十二位は仏であり、菩薩ではありません。
手前が興福寺東金堂、向こう側が興福寺五重塔。
五十二位の解説をして参りましたが、気の遠くなるような修行の段階ですよね。
五十二位の一歩手前、「等正覚」は菩薩として最高位の第五十一位に当たります。
ほとんど仏様に等しい位に相当します。
春には猿沢池の畔に桜が咲きます。
ぐるりと猿沢池を回り込んで、仏門修行の階段である五十二段を目指します。
五十二段の意味を噛みしめながら登ってみると、また違った奈良が見えてくるかもしれません。
深い歴史に彩られた奈良は、私たちの心の深淵に潜むものとリンクしているはずです。
<興福寺関連情報>
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