忍坂街道の観光案内です。
奈良県桜井市の古道エリアである忍坂街道は、「おっさか」と読みます。
街道沿いには日本最古の石仏が安置されている石位寺(いしいでら)、外鎌山の麓に位置する舒名天皇陵(じょめいてんのうりょう)などがあります。
忍坂街道の案内板。
国道166号線から左の細い道へと入って行きます。
重要文化財の薬師三尊像で有名な石位寺。
現在の石位寺は小さなお堂が残っているだけで、辺りはひっそりとしていました。
本堂の裏にある小さな収蔵庫。
この中に薬師三尊像が安置されています。
砂岩に彫られた石造浮彫伝薬師三尊像。
角に丸味のある三角形の砂岩に三体の仏様が彫られています。
白鳳時代の名作と伝えられます。
仏様のお座りになられている椅子や蓮座が前に傾けられ、こちらに飛び出してくるような錯覚に陥ります。
拝観期間が決められており、3~5月と9~11月の観光シーズンに限られます。拝観に際しては予約が必要で、拝観希望日の10日前までに桜井市観光課にお問い合わせ下さい。
拝観料は大人200円です。
今日は拝観できなかったので、本堂前からの景色を撮影してみました。
石位寺は少し小高い場所にあるので、国道が下を通っていて、少し離れた倉橋溜池を遠望することができます。
ズームアップしてみると、くらはしの文字が見えます。
倉橋ため池には、緑豊かなふれあい公園もあります。ハイキングついでに池周辺を歩いてみるのもいいですね。
舒明天皇陵。
舒明天皇は当初、飛鳥の地に埋葬されていました。
今は忍坂の地に眠っておられます・・・舒明天皇の皇子には、天智・天武天皇がいるとされています。
ところでこの忍坂という地名、難読地名のひとつに数えられます。
国道沿いには「忍阪」と、こざと偏の阪が使われています。今の大阪を、昔の表記では土偏の大坂と書くのと同じなんですかね。
おっさかは元々、忍坂(おさか)と発音されていたようです。転訛の過程で、撥音便の「おっさか」となったのではないでしょうか。
広辞苑による忍坂の解説文を引用させて頂きます。
”古地名、押坂とも。道臣命が神武天皇の命を奉じて、賊を誘殺したという伝承ある地。おしさか。”
その他、様々な古文書を調べてみたところ・・・刑部省を意味する刑部おさかべという言葉と出くわしました。
神刑部(かみおさかべ)とも言われ、神の審判を得て、罰を決める任に当たったとされます。
姫路城の天守閣に住んでいる伝えられる刑部姫とも何か関係があるのでしょうか?
姫路城の守護神とされ、人と会うのを嫌い、年に一度だけ城主と面会すると伝えられる刑部姫。もちろんその正体は誰も知らず、年老いた狐ではないかとも云われ、刑部狐(おさかべぎつね)・刑部大明神とも呼ばれています。
刑部の地名は、岡山県新見市や大阪府八尾市にも見られます。
司法全般に関わった歴史のある刑部・・・
忍坂の地名の由来には、なかなか興味深いものがありますね。
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