万葉集の中に出てくる古語には、日本古来の深い情緒が感じられます。
万葉集をメロディーにのせて歌うソプラノ歌手の歌枕直美さんのCDを最近よく聴きます。その楽曲の中に素敵な歌詞を見つけました。
いやちへしきに。
大伴家持の「恋渡るかも」の歌に出てくる言葉です。
いやちへしきに 恋ひ渡るかも
漢字に直せば、弥千重(いやちへ)頻(しき)に・・・となります。
歌枕直美さんのプロフィールが書かれています。
西洋音楽を勉強なさっていたそうですが、万葉集との出会いにより日本の心を歌うことに目覚められます。
いやちへしきに・・・
”いよいよ幾重にもかさねて”という意味です。
耳に残る、とても素敵な言葉です。
弥(いや)にはいよいよ、益々といった意味合いがあります。益々栄えることを弥栄(いやさか)と表現しますよね。
動作が何度も重なるさまを、「千重頻く頻くに(ちへしくしくに)」なんて言い表すこともあります。
”五百重(いほへ)波ちへしくしくに恋ひ渡るかも”
寄せては返す波・・・
何度も何度も同じように繰り返される自然の営みの中に、深い恋慕の情を重ね合わせます。大自然と共にあった古代の人々の生活が偲ばれますね。
寄する波 いやちへしきに 恋ひ渡るかも
◇国見とは 天の香具山を歌い上げる歌枕直美さん!
〒633-0001 奈良県桜井市三輪459
大神神社御用達 奈良の旅館 料理旅館大正楼
TEL:0744-42-6003 (22時まで宿泊予約直通)
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