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「いやちへしきに」万葉集の古語

万葉集の中に出てくる古語には、日本古来の深い情緒が感じられます。

万葉集をメロディーにのせて歌うソプラノ歌手の歌枕直美さんのCDを最近よく聴きます。その楽曲の中に素敵な歌詞を見つけました。

いやちへしきに 万葉集の古語

いやちへしきに。

大伴家持の「恋渡るかも」の歌に出てくる言葉です。

いやちへしきに 恋ひ渡るかも

漢字に直せば、弥千重(いやちへ)頻(しき)に・・・となります。

歌枕直美

歌枕直美さんのプロフィールが書かれています。

西洋音楽を勉強なさっていたそうですが、万葉集との出会いにより日本の心を歌うことに目覚められます。

いやちへしきに・・・

”いよいよ幾重にもかさねて”という意味です。

耳に残る、とても素敵な言葉です。

弥(いや)にはいよいよ、益々といった意味合いがあります。益々栄えることを弥栄(いやさか)と表現しますよね。

動作が何度も重なるさまを、「千重頻く頻くに(ちへしくしくに)」なんて言い表すこともあります。

”五百重(いほへ)波ちへしくしくに恋ひ渡るかも”

寄せては返す波・・・

何度も何度も同じように繰り返される自然の営みの中に、深い恋慕の情を重ね合わせます。大自然と共にあった古代の人々の生活が偲ばれますね。

寄する波 いやちへしきに 恋ひ渡るかも

国見とは 天の香具山を歌い上げる歌枕直美さん!

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2009年09月08日 07:40に投稿されたエントリーのページです。

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